「脳とは、心とは何か」これを知ることが私たち人間にとって最も重要なことではないだろうか。そして、脳と心の関係がわかれば「自分とはなにか、現実とは何か」を理解できるようになる。<br>しかし、人間にとって脳と心の関係は曖昧だった。脳はある程度解明されてきたものの、心とは何かを明確に規定できていないからといえる。
最近の脳科学では、目で見えたもの、聞こえたこと、嗅覚など五感が神経経路を通して脳に集約されて見えるものが現実であるから、現実は脳がみているという。脳はいってみれば、五感からデータが入力されて、現実という画面を出力する「脳感覚」のコンピュータといえる。コンピュータは、デジタルの動きで音や映像などを出力させる。それとまったく同じような仕組みで現実という認識画面をみせているのが脳なのだ。
つまり、現実は自分の脳が見せているリアルな映像であり、人間は全員が違う現実画面を見ているということになる。脳という変換装置の入出力の仕組みは、認識技術で明確に理解できるようになっている。長くなるので割愛するが、脳は人間の一部分でしかない。
では、脳をつくり出したものは何だろうか。それらを生み出しているのが心の動きである。
源泉動きによって、時空間やすべての存在を存在させているのが人間だ。すべてを生み出している原因が自分なのに、一部分の体や脳だけが自分だと思っていては到底理解できない、もの凄い存在が人間なのだ。新しい認識「心感覚」そのものになることで、脳とは心とは何か理解できるようになり、自由と尊厳で生きることができる。