人はみな、組織に所属します。人間は教育によってつくられるといいますが、その組織の教育や常識が人をつくると言えるでしょう。
組織の最小単位は家庭です。その外側には地域や学校、企業や国家、宗教など、所属している人たちの集団がさまざまな教育や秩序で機能しているのが組織です
組織に属してしていれば誰もが必ずその組織の影響を受けるので、教育はもちろんのこと、どんな国、どんな親に育てられたのか、その時代という環境の影響を受けない人はいません。
ですから人間の進化は、組織の進化といえます。
これまでトップダウン・ピラミッド構造のヒエラルキー型組織に限界を感じてきた人類は、自分を最大限生かせる組織を目指して、アジャイル型、ホラクラシー型、ティール型など自律的に機能する組織開発にチャレンジしてきました。
組織を進化させるには「ビジョンの共有・情報の均一化・全体性をもった個人」の集団が必要ですが、ここに無理があります。脳の限界であるエゴ意識を超えることができないため、どうしても人とわかり合えずにぶつかってしまいます。
エゴ意識を超えた個人が集まり、目的によってプロジェクトがムダなく機能する「リゾーム型(セミラティスという網状交差図式)」の組織ができれば、個人と組織を同時に進化、発展させていくことができるようになります。
そのためには脳の限界を超える「心」を理解して全体も個人も生かす意思決定ができる個人が集まる組織づくりが欠かせません。健康な個人はすべてのものに興味や関心をもってつながろうとします。
エゴ意識は個性ではなく、脳の分離意識が生み出したムダな考えや感情ともいえます。
厄介なエゴ意識を統制できる自分になって、全体性をもった個人が出会うことで、創造性を連鎖し進化発展し続ける健康な組織、健康な社会ができるのです。